人事の3要素(CoE,HRSS,HRBP)とそのバランス

人事の3要素(CoE,HRSS,HRBP)とそのバランス

この記事では、人事における CoE,HRSS,HRBP のバランスについて解説します。
Clock Icon2024.12.11

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

人事領域の分類として CoE(Center of Excellence), HRSS(Human Resources Shared Services) , HRBP(Human Resource Business Partner)があります。この記事では、人事における CoE,HRSS,HRBP のバランスについて解説します。

3pillars of hr

前提

  • CoE - 専門知識やスキルを活かして戦略を策定し、組織全体の人事施策を支える役割
  • HRSS - 人事業務の定型的なプロセスを集約し、効率化を図る役割
  • HRBP - 人事のプロフェッショナルとして人事部門とビジネス部門をつなぐ役割

CoE,HRSS,HRBPの詳細は、以下の記事をご覧ください。

人事の3要素(CoE,HRSS,HRBP)のバランス

人事の3要素(CoE,HRSS,HRBP)は、部門・職種単位で完全に分かれるわけではなく、それぞれの部門・職種内でどの要素も含まれます。

例えば、私たち組織開発室の場合、次のように分類されます。

カテゴリ 業務 内容
CoE 人事評価制度 制度設計、制度改善
HRSS 人事評価制度 制度運用、問い合わせ対応
HRBP 人事評価制度 各部内ごとの運用における壁打ち、個別の運用課題の解消支援
CoE エンゲージメントパルスサーベイ 仕組みの導入、改善
HRSS エンゲージメントパルスサーベイ サーベイの実施、レポート作成、結果の周知
HRBP エンゲージメントパルスサーベイ サーベイの結果に基づく各部の組織課題の解決支援
CoE 人事プロセスの改善 人事関連のプロセス改善、ガイドライン・ルール策定
HRSS 人事プロセスの改善 ガイドライン・ルールの周知や問い合わせ対応
HRBP 人事プロセスの改善 人事関連のプロセス改善の浸透支援

採用、労務、育成、組織開発など、業務によってどの要素が多くなるか異なりますが、よくある課題として以下のようなものがあります。

  1. HRSS過多
  2. CoE主軸の業務におけるHRBP不足
  3. CoE主軸の業務におけるHRBP過多
  4. 全体に共通する課題

1. HRSS過多

HRSS業務が過多となり、他の重要な活動に十分なリソースを割けないケースが挙げられます。継続して運用が必要な施策が増えると、HRSS業務も併せて増加するため、現在の人事部門の人員体制に見合った施策の厳選が必要です。また、足取り軽く物事を始めるのも大事な一方で、不要なものは中止するのも大事です。

2. CoE主軸の部門におけるHRBP不足

CoEの業務が中心の部門でありがちなのは、HRBP的な動きが不足して現場感のない対応になるケースです。現場の現実を確認し、全社的な取り組みを検討する必要があります。また、取り組み開始後は、現場で想定通りの結果が出ているか確認し、不足があれば改善を行います。そういったサイクルを回すうえでHRBP的な動きが必要になります。

3. CoE主軸の部門におけるHRBP過多

CoEの業務が中心の部門にも関わらず、HRBP的な動きが多くなりすぎると全体に向けた取り組みが不足することになったり、一部の事業部や部門に偏った施策になる可能性があります。

4. 全体に共通する課題

どのケースにしても、リソース配分がどの業務に偏っているのか把握することからスタートになります。把握をするためにはチームのタスクがタスク管理ツールを使って共同所有され、各タスクの種類がCoE,HRSS,HRBPのどれにあたるのかを判別可能である必要があります。

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